評価制度・出世のしくみ

<評価傾向>
半年に一回人事評価が行われ、高い評価を複数回得ると早期昇進がしやすくなると言われますが、日清食品という会社の評価には公正・公平さは無く、上司が全てを決めることができるので、目立った者勝ち、上司に気に入られるかどうかが全てです。社内政治力の強い上司に気に入られるとさらに有利になると思います。政治力の強い上司とは、役員に近い人、またはトップ(安藤家)に気に入られている人なので、その様な上司がいる部署にいることも出世には有利になると思います。この会社は新商品が必ずと言っていいほど社長の目が入るので、社長との距離がほかの会社に比べて近く、そこで気に入られたらどんどん上にあがっていけます。特に課長以上になろうとする人は、安藤家に気に入られるかが勝負です(係長まではそれほどでもない)。なお、女性は出世しにくいです。仕事の成果ではなく、朝早く出社し、遅く帰宅する人間が評価されるという風潮もあります。

<管理職昇進試験>
係長まではどちらかと言えば年功序列方式ですが、その次の管理職になるには筆記試験と役員面接があり、これがかなりの難関試験となっています。この難関試験を突破し、管理職になると、年収が一気に上がり、1000万を超えてきます。管理職になるチャンスは誰にでも与えられていますが、50歳を過ぎると管理職になるチャンスはなくなります。

SBC制度>
SBC(Strategic Business Cell)制度というチーム評価制度があり、毎年度、所属チームの業績評価が行われます(1チーム数名~最大数十名)。この評価によって、全年間の特別賞与額0か月~3か月の金額査定をされます。同じ役職レベルで同等の仕事をしている同じ部署の隣の席の人と、たまたま所属チームが違うというだけで、年間3か月分の給与差が生じることも。しかも努力点や運不運による考慮などはほぼなされません。

<出世コース>
事務系社員は、マーケッターコースが出世への近道と考えられています。そのかわり連日終電の激務となります。理由は新商品に関する多くのことが社長を経由するためで、安藤宏基(前)社長に気に入られたらそこから先の出世が早いからです。逆に無能だと見なされれば、あっという間に冷や飯という話もあります。またドライ製品が主力なので、冷凍やチルドに配属になったときのモチベーションの維持は難しいと聞きます。全社的に総じて管理部門は力が弱く、マーケティングと営業主体の会社です。

<新人教育>
新卒で入社した場合、3~5年でジョブローテーションがあり、様々な職務を経験できます。周りが甘いのは最初の1年だけで、本配属後は先輩社員から教えを請えるような状況はなくなります。上司から手とり足とり仕事を教てもらうことはなく、自ら積極的に学ぶ姿勢で取り組まなければ成長できません。必要最小限の指示だけ与えられ、ともかく手探りで自身のキャリアを積み上げていく必要があります。自己啓発制度もありますが、正直そんなことをやっている暇は無く、人事部が形式的に導入しているだけとしか受け取れません。自発的に成長しなければ居場所も無くなるため、成長せざるを得ないという意味では、ちょうど良い環境なのかもしれません。ただ、圧倒的に業務量が多く、自身でキャリアを考える機会が少ないため、自立や創造的なキャリアが身につき難いという点ではマイナスだと思います。
なお、新入社員の3年以内の離職率は3割を超えており、ブラック企業とまでは言えませんが(給与と福利厚生が良いので)、ホワイト企業とは呼べないと思います。

<中途採用者の出世>
プロパー有利、中途は不利といった文化はないので、転職者にとっては良い会社だと思います。管理部門は、中途入社社員の方が出世しているような気がします。キャリア採用は最初から管理職級で採用される方が多いからかもしれませんが。