2018/09/07 SNSで話題、菓子大手の包装、急にどーした?、文言奇抜にしちゃいました、若い消費者取り込みへ―日清シスコ、クラシエ。

日清シスコ「御意」
クラシエ「一皮むけちゃいました」

 菓子大手が昔ながらの商品の包装に突然、変わったメッセージをつけて話題を呼んでいる。日清シスコ(東京・台東)は「ココナッツサブレ」に「有給ください」などのメッセージを添える企画を開始。クラシエフーズ(東京・港)は「甘栗むいちゃいました」で、商品名をもじった包装に。SNS(交流サイト)では「急にどーした?」「攻めてる」などとコメントが目立っている。

 日清シスコはココナッツサブレでこのほど、商品の包装に仕事で使える「一言」を載せ始めた。「大人のメッセージサブレ」をテーマにした包装で、アイドルグループの「私立恵比寿中学」がオフィスでの姿をイメージした扮装(ふんそう)をデザインしている。

 「お前の考えはこのサブレくらい甘い」「アシタ ユウキュウ イタダキマス」「PDCA回してる?」「御意」といった言葉を19種類用意。買った人が自分でメッセージを書ける白抜きの包装もあわせ、20種類のうち4種類が入っている。

 包装の狙いは若い消費者の取り込みの拡大だ。同社の担当者は「学生やビジネスパーソンに的を絞りながら、若い人の日常シーンになじむメッセージを特徴にしている」と説明する。

 ココナッツサブレの発売は1965年。ただ消費者の年齢層が上がってきたため、若年層へのアプローチが課題だった。

 50周年を迎えた2015年から商品のキャラクターを私立恵比寿中学とした。16年から商品を多数でシェアできるよう、内容量は変えずに5枚ずつ小分け包装にした。17年6月から、小分け袋に私立恵比寿中学メンバー直筆のメッセージを入れる取り組みも実施した。

 18年は直筆メッセージにテーマを設けた。7月中旬からは高校生などを対象に「早弁」「永遠に中学生」など青春をテーマに展開した。今回これに職場向けの包装を加え、ココナッツサブレに関心を持つ消費者層の幅を広げる考えだ。

 クラシエフーズの素材菓子「甘栗むいちゃいました」は1988年発売だ。20周年を記念して8月下旬から、商品名の代わりに「一皮むけちゃいました」「やらかしちゃいました」などと、商品名をもじった言葉を載せた。文言は同社社員から公募した約150件から人気のあった20種類を採用した。包装変えは数カ月程度続ける予定だ。

 同社はSNSで商品が当たるキャンペーンなどを展開。商品専用のアカウントも作り、若年層に訴求している。同社の担当者は「昔から商品を愛好している消費者もいるので、味は安易に変えられない。アプローチを工夫することで若年層への話題づくりを進めたい」と話す。