「シスコーン」乳幼児に、日清シスコ、健康機能高める、来月商品刷新、幼稚園に無料配布(2018/02/23)

 日清食品ホールディングス傘下の日清シスコは主力コーンフレーク「シスコーン」の販売をテコ入れする。3月に商品を刷新し、オリゴ糖を加えるなど健康機能をより高める。乳幼児やその親に狙いを定め、全国の幼稚園や保育園で無料配布するなど大規模な販促にも乗り出す。グラノーラなど競合するシリアル商品の台頭により低迷する市場を活性化する。

 刷新した「シスコーン BIG」は3月5日から全国のスーパーなど量販店で売り出す。希望小売価格は税別280円と据え置いた。子ども向けの「エントリーシリアル」と位置付け、オリゴ糖を加えることで成長に必要なカルシウムを吸収しやすくする効果などを見込む。

 小さな子どもでも手に取りやすいようにパッケージも工夫した。コーンフレークを袋から皿に移す際に、手をそえる位置の印をつけた。

 商品刷新に合わせて、ここ数年は抑制していた大型の販促にも取り組む。乳幼児に味わいを慣れ親しんでもらうため、幼稚園や保育園を中心に3万人にシスコーンの試供品を配る。

 販促を盛り上げるため、「自分でつくる、はじめての朝ごはん」をテーマにした楽曲と動画もつくった。ブランドサイトで紹介するほか、各地で開かれている親子向けのコンサート会場やイベント会場で楽曲を披露し、シスコーンの認知度を高める。

 国内コーンフレーク市場で日清シスコはシェア1位。ただ、同じシリアル商品で豊富な食物繊維を摂取できるグラノーラなどが台頭し、コーンフレークの販売は落ち込んでいる。日本スナック・シリアルフーズ協会によると、2016年の市場規模は91億円と10年間で2割ほど減った。

 日清シスコは健康機能を高めるとともに、小さな子どもとその親を意識したマーケティング戦略を徹底し、競合品との違いを打ち出す。18年は取扱店舗数、売り上げとも前年比で2割増を目指す。