2018/07/27 日清食HD―もの言う株主が迫る共闘

 「プレミアフーズの株価が低迷し続けているのに、なぜ保有し続けるのですか」。6月27日に開かれた日清食品ホールディングス(HD)の株主総会。香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントのフィリップ・マイヤー最高執行責任者(COO)が質問に立ち、安藤宏基社長ら日清食HDの経営陣に問いただした。

 プレミアフーズは英国上場の食品大手。日清食HDは16年に約200億円を投じて17%の株式を取得、足元では20%弱の筆頭株主だ。もの言う株主としてしられるオアシスはプレミアフーズの株式を9%保有し、日清食HDに次ぐ第2位株主でもある。

 オアシスはプレミアフーズのギャビン・ダービー最高経営責任者(CEO)の7月18日の株主総会での再任反対を訴えた。「株主価値を向上させる信頼に足る成長戦略を持っていない」と主張。日清食HDには株主総会の場で「共闘」を呼びかけ棄権を促した。

 オアシスの呼びかけは日清食HDの痛いところを突いている。プレミアフーズに出資した目的は欧州での拡販。出資後に即席麺をプレミアフーズの販売網に乗せたり、新商品の共同開発に取り組んだりしているが成果は出ていない。効果の見えにくい投資に対し「中国などに集中投資してほしい」(国内証券)という声も出ている。

 連結対象ではないが、日清食品HDにとってプレミアフーズ株は重要な資産。野村資本市場研究所の西山賢吾主任研究員は企業の株式保有について「(自社の株主に保有することの)合理性を説明し、企業価値向上のために株主としての監視機能を働かせなければならない」と指摘する。

 安藤社長はガバナンス改革を掲げ買収防衛策の廃止などに取り組んできた。オアシスが問うたプレミアフーズへの対応は、改革への本気度を試す場にもなる。