日清の即席麺、海外展開加速、シーフード味、世界の定番へ、あえてカタカナ表記、米・インド…欧州も展開(2017/12/08)

 日清食品ホールディングス(HD)は即席麺「カップヌードル」の海外販売で、海鮮味の「シーフードヌードル」を前面に出した販促を進める。このほど米国とインドでカタカナでシーフードヌードルを発売し、欧州にも順次販路を広げる。海外で最も好まれる味との調査結果から「世界基軸商品」と位置付け、各地で売り込みを強化する。

 シーフードヌードルはこれまでベトナムやタイ、中国など7カ国で販売してきた。実際には周辺国まで販売は波及しているという。人口の多い米国とインドを加えることで、海外での市場開拓に弾みを付ける。

 米国とインドではパッケージも変えた新商品として売り出した。容器の中央部分に大きく「SEAFOOD」と記載。米国の商品ではあえてカタカナで「シーフードヌードル」と文字を入れ、日本発祥の商品であることを強調した。今後、欧州でも売り出す計画だ。

 カップヌードルは1971年に発売し、現在は世界80以上の国と地域で売られている。各地の食文化に対応するため、従来は味付けを現地に合わせた商品を販売していた。日清食品HDの安藤宏基社長は「コカ・コーラのような全世界共通の商品がなかった」と話す。

 カップヌードルのブランドを世界でさらに広めていくため、同社は中国を中心に海外の消費者に好まれる味付けを調査。その結果、海鮮風の味付けの商品が日本で販売する定番のしょうゆ味より評価が高かったことから、シーフードヌードルを世界向けの基軸商品に選んだ。

 今年春には香港生まれの海鮮味の即席麺「カップヌードル 香辣海鮮味」を日本国内で発売し、好評だったという。日本では冬場にミルクを加えた「ミルクシーフードヌードル」が季節品として根付いており、海外でも派生商品の販売を今後検討する。国内の即席麺市場は堅調に推移しているが、今後の主力市場はアジアを中心とした海外とみている。